俳人名鑑

宗 左近 (そう さこん) 

 大正8年(1919)〜平成18年(2006)87歳. 福岡県生れ。千葉県在住。 詩人・仏文学者

 歴程賞・詩歌文学館賞・第1回スエーデンのチカダ賞受賞。市川市名誉市民。※ 旧制一高・東京帝大文学部哲学科出身

 句集:『夜の谺』『不知火』ほか  詩集:『炎える母』『藤の花』ほか 著作:『新版 さあ現代俳句へ』ほか多数.

 《これからの現代俳句に望むことは、ただ一つ。もっともっと柔軟に冒険を。冒険のないところに成り立っているのは。遊芸であるにすぎない。》

     氷柱から銀河の落ちる谺の夜

 

宗田安正 (そうだ やすまさ)

 昭和5年(1930)〜令和3年(2021)90歳。 東京都生れ。神奈川県在住。

昭和25年「天狼」 に投句.加藤かけいの「環礁」同人になるが,大學入学を機に句作断念。のち寺山修司と「雷帝」創刊に携わり俳句再開.第5回山本健吉文学賞(評論)受賞.※早大文学部国文学科出身。

 句集:『個室』『巨眼抄』『百塔』『巨人』  著作『俳句古語辞典』『昭和の名句集を読む』

     あやまちて天上の麦刈りつくす

     仏間にて月光倒る音したり

     凍蝶のこときるるとき百の塔

     月明の東京電車だけが残る

     YASUMASAと箪笥に呼ばる春の昼

     カフカなどつまりシホカラトンボかな

     他の穴のことは知らざる蝉の穴

     向日葵に雪降る終末の来るか

 

相馬遷子 (そうま せんし)

 明治41年(1908)〜昭和51年(1976)67歳。 長野県生れ。 「馬酔木」

 水原秋桜子に師事。石田波郷に兄事。「鶴」「馬酔木」同人。昭和45年から「馬酔木」同人会長を務めた。昭和14年と昭和32年馬酔木賞・昭和51年葛飾賞・第9回俳人協会賞受賞。※東京帝大医学部出身

 句集:『山国』『雪嶺』『山河』『相馬遷子全句集』 

     雪嶺へ酷寒満ちて澄みにけり   

     曇り空かりがね過ぎし跡ひかる

     地のかぎり耕人耕馬放たれし

     雪山のどの墓もどの墓も村へ向く

     わが山河まだ見尽さず花辛夷

     冬麗の微塵となりて去らんとす

     わが山河いまひたすれに枯れゆくか

 

曽根 毅 (そね つよし) 

 昭和49年(1974) 香川県生れ。 「LOTUS」

 鈴木六林男、久保純夫に師事。平成14年「花曜」入会。終刊後平成17年「光芒」同人。同23年「LOTUS」同人。第4回芝不器男俳句新人賞受賞。

 句集:『花修』

     立ち上がるときの悲しき巨人かな

     燃え残るプルト二ウムの傘の骨

     さくら狩り口の中まで暗くなり

     薄明とセシウムを負い露草よ

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